北海道には鉱脈タイプ, 黒鉱タイプ, スカルンタイプ, 漂砂型 などの様々なタイプの鉱床が数多くあります。 最初の3タイプは地下を流れる、 温度が数百℃にもなる水(熱水)によって生成されるので、 熱水性金属鉱床(Hydrothermal metal deposits)といわれています。
経済的には、北海道では金・銀、水銀、鉛・亜鉛などの熱水性鉱脈鉱床が最も重要です。 黒鉱や層状硫化物鉱床がこれに続きます。 水銀鉱床と層状硫化物鉱床はほとんどが北海道の北東部に分布します。 一方、黒鉱と鉛・亜鉛・マンガンの鉱脈は主に南西部に集中しています。 金・銀鉱床はいずれの地域にも分布しています。
上図のAuは金、Crはクロム、Feは鉄で、 PGEとは白金族の金属(プラチナ、ロジウム、 パラジウム、イリジウム、オスミウム、ルテニウム)のことです。 Placer とは漂砂型、つまり砂金のように有用な資源が砂として濃集したものです。 北海道の砂金は遅くとも江戸時代には採掘されていました。 砂白金は明治30年ころから採掘されだしましたが、 実はそれ以前から砂金の採掘時に金と一緒にすくいあげられては捨てられていたようです。 勿体無い話ですが、その当時は何の用途もなかったため、 邪魔物扱いを受けていたのです。 明治30年ころから採掘されだしたのは、 万年筆のペン先につける摩耗防止用の玉として急速に需要が出てきたためです。
上図を見ると砂金と砂白金・ クロムが一緒に採れる地域と砂金のみの地域が明瞭に区別できます。 実は白金とクロムの採れる地域は、 蛇紋岩という超塩基性岩(マントルという地下深くから上昇してきた特殊な岩石) の変質した石の分布地域なのです。 つまり、白金とクロムはマントルからの贈り物なのです。 このように特殊な存在ですから、白金鉱床があるのは日本では北海道だけです。
Podiform Cr とは蛇紋岩の中にまれに見られる「いも状」つまり、 不規則な形のかたまり状のクロム鉱床で、 上で説明した蛇紋岩分布地域すにのみ見られます。 Limonite は褐鉄鉱のことで、 北海道で最大の倶知安の鉄鉱床はこのタイプです。 Bedded Mn は堆積岩中の層状のマンガン鉱床です。